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行こか戻ろかイギリス生活

行こか戻ろかイギリス生活

Flamenco Express

2004年10月30日

今日はロンドンをベースに活動している、Flamenco Expressというダンスカンパニーのパフォーマンスをロンドン西部の劇場に観に行った。
Flamenco Expressは、ロンドン郊外にフラメンコクラスも持っている(と思ったのだが)が、基本的にイギリスの地方の小さな町での公演を中心に活動しており、アイルランドのダブリンにも年に1回公演に来ていた。当時ダブリンに住んでいた頃師事していたアナ先生がこのカンパニーと知り合いで、公演のついでに催されたワークショップを受けた事もある。

先週の日曜日にワークショップを受けたトーマス先生がこのカンパニーに(多分今年から)パーマネントダンサーとして所属しており、師匠の舞台を見るのは弟子の勤めでもあるし、ま、要は先生のパフォーマンスを一回見たくてチケットを取ったのだが、残念ながら彼は今日はダブリンに行っていて出演しないらしい。で、代わりと言っては何だが、私が今年のイースターと夏に何回か教えてもらったヘンマ先生が出るらしい。ヘンマのテクニックのすごさはクラスで充分知っているが、実際のパフォーマンスは見たことがなかったので、楽しみにして来た。ヘンマは、ちょっとぶっきら棒だが、すっきりしていて、実は優しそうないい感じのお姉さんだ。

劇場に着くと、客の入りは1-2割、前4列しか埋まってなくてかなり寂しい状態だ。ヌリアが300人近く生徒を抱えていたりと、フラメンコを習っている人はそんなに少なくはないが、今日は場所もちょっと辺ぴだし、やはり一般人レベルではフラメンコはまだまだマイナーな存在なのか。この客の入りでは、踊りだけで食べていくのは、やはり大変だろう等と余計な心配をしつつ、開いた今日のメニューは下記の通り。
1. Tangos – Canpania
2.Romeras – Rosa De Las Heras
3.Solo Guitar – Cristo Mulet
4.Solea por Buleria – Joaquina

Interval

5. Solea - Rosa De Las Heras
6. Solo Gutar – Manuel Cazas
7. Alegrias – Gemma de la Cruz
8. Bulerias por Fiesta – Campania

さすがヘンマ、トリである。ソレア・ポル・ブレリアを踊るこのホアキ-ナというのが、トーマスの言っていた「ホキンコルテスのカンパニーで踊っていた人」の事のようである。

幕が上がり、最初のタンゴでカンパニー全員が出て来た。客の少なさにちょっとガックリしている様子がわかる。どうもヘンマが最前列にいる私に気付いたようだ。私はあまりヘンマばかり見ないように気をつけた。

その次のロメラ(と読むのだろうか)は、アレグリアスみたいな感じで、もしかしたらアレグリアスに変更になっていたかも知れないが、あ、このローザって人。そう、3-4年前、ダブリンでのワークショップで教えに来ていた人だ。クラスの途中で、私の前に来て「あなた、よく頑張ってるわね」と声を掛けてくれたのだが、当時の私にしてみればロンドンから来たフラメンコダンサーの彼女の前で、超緊張したものだ。

で、このローザだが、頭の位置は綺麗だし足も速いが、ちょっと、???。最初は、あまりにも客が少なくて適当にやっているのかと思ったが、どうも手も伸びてないし、ちょっとヨロヨロしている。体の具合でも悪いのかと心配になるほどだ。後半のソレアでも印象は同じ。ゆっくりした動きのところでは、さすがに長い経験から姿勢がきれいで感心するところもあったが、やっぱりちょっと。。バックの面々もちょっと苦笑い?ジャマダの後、急に踊りを止めて歩き出したり。。関係者が誰も日本語を読めない事を祈るが、お金を払って観る価値はなかった。かつて教えてもらった事がある私としてはとっても残念。

ホアキ-ナちゃんは、手足が長くて見栄えがするし、やはり上手だ。
でも今日のメインは何といってもヘンマだった。普通の体育館系の床にゴムを敷いただけのようなステージで、ものすごくしっかり靴音が出ている。しかもあのコンパス感。夏のクラスでも、一瞬タイミングを間違えたギタリストのアンガスを叱り飛ばしていたという話を誰かから聞いたが、(ちなみにアンガスはいつも誰かから叱られる、叱られ体質とみた)半分素人の私でも、一分の狂いもないのが判る。後、常々きれいだと思っていたターン。やっぱりターンはある意味踊りの花形だ。クルッと廻ってさっと向きを変えて腕を伸ばすあのテクニックは凄かった。それにあの首のキレ。踊り自体は、くにゃくにゃせず、大変ストレート。ヘンマが最後に出たきた途端急に舞台がしまって、バックも盛り上がっている。ヘンマもエスコビージャの前に「オラ、行くぜ」みたいな事を言いながらスカートを持ち上げていて、ぎゃあぁ、カッコいい!すっきりしていて、強くて、素晴らしいの一言でございました。

最後の挨拶で私にうなずいてニコっと笑ってくれて嬉しかった。今日は好いもん見せてもらった。今日の入場料12ポンドはすべてあなたに捧げます。


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